陽光台団地より船倉山を望む。 | 大野鯛ノ原地区より船倉山を望む。 |
林道高見線から分岐〜中国電力廿日市南岩国線25号鉄塔〜529m峰〜林道矢草線〜627m峰〜縦走路合流〜烏帽子山
高見地区の民家が無くなり、約200mに林道高見線から西方へ分岐する未舗装の林道がある(A-1)。
林道の途中に取付がある(A-2)。雑草・雑木に覆われて見落としてしまうような取付だ。ここから、529m峰まで
延々とヤブコギが続く。登山道の幅員の大きさからかつてはかなりの利用があったと思われるが、
林道矢草線が開通した関係でその役割を終えたようだ。
取付から、中国電力廿日市南岩国線25号鉄塔までは、尾根のヤブ道を進まずとも、東西から到達できる。
西側からのルートは、
堰堤(高見西川砂防ダム)の手前で向かって右手に分岐し堰堤を越える。
登山道は、堰堤池の右側をトラバースして、谷の奥へと続いており、
中国電力廿日市南岩国線の送電線の保守道に合流し、左右に分岐している。
分岐点には、小さな滝がある(A-3)。
ここで東側へ進み急登して、25号鉄塔のある尾根に登る(A-4)。
東側からのルートは、林道高見線から、高見川砂防ダムのところ(A-5)で高見川を渡って鉄塔保守道を進むと、
25号鉄塔へ到達できる(A-4)。
どちらも、尾根に登る道はとちらも急登だ。
25号鉄塔から尾根の踏み跡を進むと、中国電力新西広島岩国線の送電線の保守道に
合流する(A-6)。
ここも、大野鉱山跡の手前からの保守道を利用しても到達できるが(A-7)、
Up/Downが激しいので、喜んで利用するようなルートではない。
さらに尾根を進むが、ここから先は急激に踏み跡が薄くなり、登山道は荒れてくる。
標高450m前後では、踏み跡もはっきりしなくなり、長いヤブコギが続く。
529m峰のわずか手前では道らしくなり、北側のコルに到達する。ここからは、比較的歩きやすい道となる。
529m峰には、旧陸軍の標石(第57号)がある(A-8)。
ここ
のリストにも掲載されている。
北へ進むと林道矢草線に合流する(A-9)。
一旦林道を北東側に進み、アンテナを過ぎてすぐのところから分岐し、北側へ取り付く(A-10)。
堰堤の手前で分岐があり、直進しても、分岐しても、627m峰(A-11)へと道は続いている。
この付近は脇道が多いので、地形図を見ながら進むとよい。627m峰からさらに北方へ進むと、登山道はやや荒れてくるが、
まだ、我慢のできる範囲だろう。
やがて、烏帽子山山頂の東側で主尾根縦走路に合流する(A-12)。
縦走路合流から数分で烏帽子山山頂に到達する(B-15)。
林道高見線から林道矢草線までが、2時間30分、林道矢草線から
烏帽子山山頂までが、1時間30分程度かかる。
特に林道高見線から林道矢草線までは、ヤブコギが苦にならない人でなければ、登らない方がいいだろう。
林道矢草線から
烏帽子山山頂までのルートは、ヤブコギはあるもののそんなに荒れていないので、面白いかもしれない。
林道高見線〜鉱山跡〜高見山〜船倉山山頂(高見林道ルート)
中国電力新西広島岩国線の送電鉄塔用保守道を 南西側から登るルートだ。林道高見線終点まで車で進入できる。 途中の地蔵橋の袂には、地蔵堂と陸軍の標石がある(A-13)。 林道終点から先は、普通の山道になるが、鉄塔保守道なので整備状況は素晴らしい。 高見川渡渉地点の手前に分岐があるが、ここを東方向へ分岐し、 高見川を渡る。この付近は、大野鉱山跡地であり、いろりろな痕跡が山肌に残っている(拡大図参照)。 第二次世界大戦中の1941〜1944年、軍の管理下でタングステンや銅などを採掘していた ようだが、鉱石の含有率が低く廃鉱となったらしい。「大野鉱山」(文理一男著/2006年)には、鉱山の歴史や 採取した標本の写真などが記載されている。参照させていただいた。「ひろしま百山」では、坑道跡を「風穴」 と記載している。2008年3月に「おおの自然を愛する会」のの方々により、 選鉱場方面の登山路を整備された(感謝)。 鉱山跡を過ぎるとスイッチバックの急登となり、375m峰北西側の尾根へ至る。尾根を進み高見山(西の尾山)を超える。 次の小ピークでは、林道矢草線方面への分岐がある(A-14)。このピーク を下ると、川を渡り、白糸の滝ルートとの分岐点に至る。この川の水が白糸の滝へと流れている。 この付近には分岐道が多いので、地図を 見ながら進むといいだろう。船倉山の山頂手前で鉄塔保守路から分岐すると、3等三角点のある 山頂はすぐのところだ(A-15)。山頂からの眺望も素晴らしいが、 登山道の随所で宮島などの瀬戸内海の多島美を 楽しめる(A-16)。林道終点から山頂まで2時間30分程度。 インターネット上で登山記事複数あり。
林道戸石川線〜王舎城〜白糸の滝〜船倉山山頂(白糸の滝ルート)
林道戸石川線は王舎城(A-17)を過ぎて一旦舗装道終点となるが、白糸の滝への分岐手前で再び舗装道となり、 登山道が階段となる手前まで続いている。階段手前まで車で進入可能と思われる。 白糸の滝は分岐から約100m先にあり、落差は十分であるが 水量は少ない(A-18)。 階段が終わるとシダの多い登山道となり、尾根を急登すると、上述の分岐点へ至る。分岐手前の西側の谷底には 滑ら滝が見える。この付近の山に共通することだが、日当たりのよい南側斜面にはシダやサルトリイバラが 繁茂しやすい。このルートが維持できているのは、かなりの人が登っているという証である。 林道終点から船倉山山頂まで1時間程度。インターネット上で登山記事複数あり。
中山地区林道〜中国電力新西広島岩国線76号鉄塔(中山ルート)
このルートは、シダやサルトリバラの藪との格闘を要するルートだ。 船倉山の南側より山頂への直登を狙うルートなのだが、 現在では荒れるにまかされている状況である。25,000分の1地図にも、実線と破線で示されている。 市道(西国街道)分岐後(A-19)、広島岩国道路(山陽自動車道)高架下を くぐり林道終点(A-20)まで進み、終点右手より、登山道を進む。標高約300mから先では、登山道の 形跡さえも不明瞭となる。ヤブコギは、中国電力新西広島岩国線76号鉄塔まで続く。 整備されていれば、1時間以内に登れると思われるが、現状では、 2時間程度の時間を要する。雑木林の様子など勘案すると、 後述の山火事で、この付近も消失したものと思われる。積極的に登るようなルートではない。 上述の「広島をめぐる山と谷」や「旅鳥」が出版された時代には、 このルートは現在のような荒れようではなかったようだ。
四郎峠〜船倉山東側尾根〜中国電力新西広島岩国線75号鉄塔(四郎峠ルート)
広島岩国道路(山陽自動車道)沿いの市道(西国街道)(廿日市JCT付近)から、船倉山東側の尾根を登り、75号鉄塔へ至るルート。
この付近には何本か登れそうな取付があるが、少し山方向に進むと藪となって
簡単には登れるルートはないようだ。
この付近は、1970年4月に大規模な山火事となった。中国新聞縮刷版(1970年4月)によると、4月1日に
廿日市市営火葬場(四郎峠)付近より出火し宮内側70ha・大野側50haを焼失したとのことだ。
縮刷版の記事では、確認できなかったが、
その後も延焼し、自衛隊の出動で最終的に鎮火したと記憶している。
その時、消火作業用に登山道
の整備が行われており、作者には1970年代半ばに、
一面焼け跡で何もない尾根道を歩いた記憶がある。
確かに、主要な尾根には、
消火作業道として登山道を整備した痕跡が見受けられるが、
これらのルートも上述の中山ルート同様に、日当たりのよい
南向きの斜面で山火事跡地ということもあって、シダやサルトリイバラが繁茂している。
鎌を用意して登るといいだろう。消失面積120haは、約1km四方に当たる。船倉山の南東斜面の
大半が焼けたようだ。
登山地図には、四郎峠(A-21)からのルートを記している。
四郎峠には、廿日市市のごみ処理場「エコセンターはつかいち」がある(A-22)。この処理場の作業道を通り
作業道終点から、向かって左手の尾根を登る(A-23)。標高250m付近までは、道の痕跡があるが、その先は、
不明瞭になる。標高400m付近を越えると急に登山道がはっきりし
てくる。461m峰を越えて、鉄塔保守道と合流し75号鉄塔へ至る(A-24)。
エコセンターはつかいちの作業道は、営業日・営業時間帯
のみ進入可能なので注意を要する。
大変な荒れ道なので、山頂まで2時間半程度かかる。
現状では、このルートからは登らない方がいいだろう。
「大野鉱山」付近の拡大地図 「この地図は、国土地理院長の承認を得て、 同院発行の2万5千分の1地形図(厳島) を複製したものである。(承認番号 平19総複、第388号)」 |
建物跡(1) | 建物跡(2) | 坑道跡(1) | 坑道跡(2) | 坑道跡(3) |
坑道跡(4) | 石英脈 | ずり置場 | トロッコ路盤跡 | 選鉱場跡 | 大野鉱山の産業遺跡等 |
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御立橋〜トラック駐車場〜71号鉄塔〜75号鉄塔〜船倉山山頂
四季が丘西入口付近の御手洗川に掛かる御立橋(B-1)からスタート。
橋を渡ると、トラックの
駐車場で、この駐車場の西側に林道があり、ここが取付(B-2)となる。
この林道は短く、すぐに終わり、終わったところから、
山に向かって左手へ折れれば、すぐに中国電力新西広島岩国線の71号鉄塔に到達する。
ここからは、送電用鉄塔の保守道を主尾根まで登る(標高差約300mの急登)。
平坦な所は途中の送電鉄塔の場所くらいでほとんどない。
途中の送電鉄塔からは、折敷畑山・野貝原山などが
よく見える(B-3)。
主尾根の75号鉄塔まで登ると正面に山頂が見えてくる。
ここから右手に向かい回り込むように道を進めば船倉山の
山頂へ至る(A-15)・(A-16)。
このルートは、非常に整備状況がよい。
路線バスでのアプローチも大変便利
(広電バス佐伯線、半目藪バス停下車)。
取付から山頂まで80分程度。
黒折橋からのルート
県道廿日市佐伯線から黒折橋で御手洗川を渡る(B-4)。民家が終わり、舗装道終点にある資材置場の 右脇に取付がある(B-5)。御手洗川の支流黒折川沿いの谷をトラバースしながら進む。 尾根まで上がると、この尾根を外さないように進む。標高450m付近で、わずかに北側にずれて 下明石〜下明石分岐ルートに黒折分岐で合流する(B-6)。 このルートは比較的整備がよく歩きやすいが、黒折分岐は雑木に覆われてわかりにくい。黒折橋から下明石分岐まで 90分程度。 路線バスでのアプローチも大変便利 (広電バス佐伯線、黒折バス停下車)。
下明石バス停からのルート(下明石分岐へ)
県道廿日市佐伯線を下明石バス停(B-7)より分岐し、御手洗川の支流明石川に沿った道を進む。 分岐後直ぐに渡果橋を渡り、南側の住宅地への進入路を進むと住宅地の一番奥に取付がある(B-8)。 途中、黒折分岐(B-6)を過ぎて、下明石分岐(B-9)へ至る。 下明石分岐には道標があるが、下山路を案内していない。 登山道の整備状況は比較的よい。
下明石バス停からのルート(明石分岐へ)
下明石分岐への取付よりも、さらに約400m明石川沿いに進んだところに、明石分岐への 取付がある(B-10)。 一見では、取付がわかりにくい。砂利の敷いてある駐車場のようなところが取付で、休耕田の脇を20mくらい進むと 向かって左手に登山道がある。 このルートは、25,000分の1地図にも破線で書かれている。主尾根に近いところの登山道の傾斜は 大変厳しい。標高約350mから明石分岐までの登山道脇には、 有刺鉄線が張られているので、注意しながら登るといよい(B-11)。 主尾根付近は眺望に優れ 野貝原山・峠空山・ 大峯山などがよく見える。 明石分岐(B-12)。には、道標があるが、 下山路を案内していない。登山道の整備状況はよい。インターネット上で登山記事複数あり。
下明石バス停からのルート(烏帽子岩〜烏帽子山山頂へ)
明石分岐への取付よりも、さらに約400m明石川沿いに進んだところに、烏帽子岩を経由し、烏帽子山山頂
へ至る取付がある(B-13)。
このルートは、途中の岩場(標高500m付近)で道が途切れたのではないかと錯覚するほど登りにくい。
ロープがほしいところ。危ないと思うなら引き返した方がよい。
この岩場を越えると、急にきれいな山道となる。烏帽子岩(B-14)を過ぎると、
数分で烏帽子山山頂に至る(B-15)。
「烏帽子岩」からの眺望は素晴らしい(B-16)・(B-17)。
途中の岩場を除けば、登山道の整備状況はよい。
烏帽子山の三角点の位置には、
旧陸軍の標石(陸軍輸送港域第ニ区標石)(第56号)があると予想されるが見当たらない。
念のため、付近の小ピークでも探したがやはり見当たらない。
上述の「旅鳥」には、ここに「石柱」が埋められていると
書かれており、少なくとも1970年代半ばまで第56号の旧陸軍の標石が烏帽子山山頂にあったことは確かなようだ。
下明石バス停からのルートに共通することだが、いずれのルートも取付から主稜線まで90分程度。
路線バスでのアプローチも大変便利
(広電バス佐伯線、下明石バス停下車)。
上峠バス停からのルート(上峠ベニマンサク湖分岐〜烏帽子山山頂)
上峠バス停から、南へ分岐する道を進む(B-18)。
住宅団地の一番奥の貯水槽脇が取付になっている(B-19)。
しばらくは、幅員のある林道であるが、
やがて普通の山道となる。コル(B-20)まで進むと、登山道
は交差点になっている。直進するとおおの自然観察の森へ至り、
西へ進めば、
大野権現山縦走路へ至る。
東へ進むと烏帽子山(B-15)へ至る。インターネット上で登山記事複数あり。
路線バスでのアプローチも大変便利
(広電バス佐伯線、上峠バス停下車)。
船倉山山頂〜展望岩〜入野山〜烏帽子山〜上峠ベニマンサク湖分岐へと主尾根に縦走路が
続いている。
船倉山山頂から尾根を西へ進み、10分程度で「展望岩」(C-1)へ着く。ここで一休みするのもいいだろう。
野貝原山・極楽寺山・折敷畑山及び広島市の市街地がよく見える。
(C-2)
この辺りから入野山への登りの手前まで尾根道の廿日市市宮内側に有刺鉄線が張られてるので注意が
必要だ。
さらに尾根を西へ進むと入野山(標高596m)への登り坂となり、眺望のない山頂を越えて少し進むと
「下明石分岐」へ至る(B-9)。
さらに西へ進むと
「明石分岐」に到達する(B-12)。この先に627m峰への分岐がある(A-12)。
さらに西へ進むと、4等三角点のある烏帽子山山頂(B-15)
に到達する。
尾根を西へ進むと、船倉山と
大野権現山の間のコル(上峠・紅まんさく湖分岐)
(B-19)へ至る。
(C-1)縦走路の展望岩。 | (C-2)展望岩より廿日市・広島市街地を望む。 |
林道終点〜山頂
林道矢草線は、おおの自然観察の森へ至る林道近角線の帆柱峠から 約1km南側より分岐し(D-1)、 船倉山の標高500m付近の南斜面 にある。この林道は、多少路面が荒れているところもあるが、車で林道終点(D-2)まで進入 できる。林道終点から、山頂までは10分程度。近すぎてここから登ったのでは、 面白くない。前述の縦走路へは、山頂を経由せずに行くことができる。
高見川上流〜下明石分岐
林道矢草線が、高見川上流を越える地点に、下明石分岐方面へ続く谷道がある(D-3)。 ほとんど勾配のない平坦な登山道が下明石分岐(B-9)まで続いている。 この谷道は、ほとんど植林地内を進む(D-4)。中央部の雑木林内で道が消失したように 見えるが、少しがんばると再び植林地となり歩きやすくなる。
おおの自然観察の森〜上峠ベニマンサク湖分岐
おおの自然観察の森から、 烏帽子山方面へ登ることができる。登山道の整備はすこぶる良好。
(D-1)林道近角線より林道矢草線が分岐する。 | (D-2)林道矢草線の終点。Uターンできるように広場状になっている。 | |
(D-3)高見川上流に沿って分岐する。 | (D-4)植林地内を進む。歩きやすい。 |
作成:2008年6月25日 & 2009年12月23日
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