佐伯工業団地から見た大野権現山
大野権現山は、廿日市市峠地区の南側にある山で東西に伸びる稜線が廿日市市大野地区との境界と
なっている山である。稜線は、東方向に、烏帽子山から船倉山の主尾根へ接続し、西方向には、「小焼」4等
三角点へと続いている。船倉山から大野権現山・「小焼」4等三角点まで1日がかりで縦走できる。健脚向きのコースである。
ここでは、峠地区からの登山路を中心にレポートする。大野地区の「おおの自然観察の森」からの登山路や縦走路は、
たくさんのインターネット上のホームページや数々の登山解説本で紹介されているので割愛する。2012年春に追加調査を行いレポートを全面改訂した。
なお25,000分の1地図には山名「権現山」と掲載されている。権現山という山は各地に数々あるので、
ここでは「大野権現山」ということにする。
佐伯工業団地の南側の青光園団地の奥に取付(A-1)がある。 青光園団地の中央に中国電力新徳山幹線101号鉄塔があり、その東側に この団地の案内図がある。そこに「権現山登山口」が掲載されている。確認しておくと、団地内で迷う必要がなくなる。 取付には、「登山口」の看板がある。 しばらくは谷間を南向きに小さなコル(A-2)まで進む。ほぼ、山頂に対して真西に近い位置である。 ここを東側に折れて、いよいよ約250mの急登がスタートする。分岐には、たくさんのテープなどが付けてある。 登山路はよく踏み込まれており、尾根を外すようなこともなく一直線でわかりやすい。 地図を見てもわかるが、頂上付近は等高線が狭く、かなりの急登で、登山道横の潅木を交互につかみながら登る。山頂手前では、巨岩の間を縫うように進む。 これらの巨岩からは佐伯町方面の山々の眺望を楽しめる (A-3)・(A-4)。 青光園団地から山頂まで約1.5時間で3等三角点(A-5)のある山頂(A-6)・(A-7)へ到着する。
(A-2)からさらに、直進すると、大野権現山と小焼三角点の間の尾根(旧佐伯町と旧大野町の境となる尾根)に達する(A-8)。 ここからも、東へ進路をとれば、権現山へ登山できる。上述の登山路のように踏み込まれてはいないが、 迷うようなところもない。標高約580mで、(A-2)からの登山路と合流する。合流点には多数のテープが張られている。 (A-8)から、西方向へ進路を取ると、途中L字状に2回曲がって尾根を進むと 「小焼」4等三角点へ至る。この付近の登山路は、最近整備されたようだ。丁寧に登山路脇の雑木などが刈られていた。 整備された道を進むと大きな岩のテラス(A-9)に至り、大竹の山々や渡ノ瀬貯水池がよく見える(A-10)。 この岩の回りの雑木がきれいに刈られていた。 「小焼」4等三角点は、この岩の手前約30mの登山路北側脇のブッシュ内にある(A-11)。 この付近の標高は500m台であるが、登山道脇の雑木にブナが数本生えていた(A-12)。
青光園団地の取付へは、「下峠」バス停の利用が便利。バス停のそばから分岐し、南方向へ約1.3km進む。
(A-1)青光園団地の奥に取付がある。ここから谷間を進む。 | (A-2)やがて小さなコルに出る。ここを左に折れて急登が始まる。 | |
(A-3)登山道途中の岩から、大竹方面(南西方向)を望む。 | (A-4)登山道途中の岩から、友田、河津腹方面(西側)を望む。 上勝成山が写真左の木の陰に写っている。 画面中央には安芸冠山が見える。 |
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(A-5)大野権現山山頂の3等三角点(三角点名は「権現」) | (A-6)山頂の立派なプレート。 | |
(A-7)山頂の権現様。 | (A-8)大野権現山と小焼三角点の間の尾根(旧町境の尾根)に至る。 | |
(A-9)岩のテラス。展望地。 | (A-10)大竹方面の山々を望む。 | |
(A-11)4等三角点。点名は「小焼」 | (A-12)登山路脇のブナ |
「佐伯工業団地入口」のバス停から約50m上峠側に寄ったところから、権現山方面に分岐する舗装道がある(B-1)。
斜めに下り、権現橋を渡るとその先向かって右手に見える尾根が大野権現山山頂へ北側から直登する尾根である。
舗装道より分岐する道(車止めのロープあり)が見える(B-2)。ここから登ってもよいが、その先の植林地から中国電力新徳山幹線98号鉄塔までの間に明瞭な道はない。
(B-2)を過ぎて、最終民家のところで舗装道終点となる。この場所のすぐ西側に取付がある(B-3)。鉄塔巡視路なのできれいに整備されている。尾根まで進み、一直線に山頂を目指す。標高500m付近から、急斜面となり、手で登山道両側の潅木を掴みながら登る(B-4)。この付近以降、巨岩が連続して出現し、最後の巨岩(B-5)を、東側に迂回すると山頂の少し東側の尾根に達する。
(B-3)を直進して、しばらく進むと、道が大きくY字状に分岐する地点に達する(B-6)。西側に進路を取ると、上述の尾根道に標高約580mで合流する(B-7)。
佐伯工業団地からは、鉄塔巡視路を利用して、この尾根へ登るルートがある。(B-8)。99号鉄塔を経由して、上述の尾根道に合流する。
(B-6)を向かって左手に進む。やや倒木の多い道を進む。正面に「保安林」標識のあるY字分岐がある(B-9)。ここを西側(向かって右手)に進む。標高約420mで登山道は、谷から向かって左手の尾根へ移り登り詰めると、山頂とおむすび岩を結ぶ縦走路に至る。合流点には道標がある(B-10)。 この登山路は、縦走路付近に達しても、岩場にならず勾配もそれほど厳しくない。
「佐伯工業団地入口」のバス停から、山頂・縦走路まで、約1.5時間。
「上峠」バス停より、南側へ分岐する舗装道を進む(C-1)。最終民家まで進み、烏帽子山と大野権現山の間のコルを目指す(C-2)。 このコルから、西方向に急登すると、おむすび岩のあるピークに到達する。このルートは、上峠方面からの一般的な登山路である。
上述の舗装道を上峠バス停から約450m進んだことから西へ折れて(C-3)、川を渡りすぐのところを北側に分岐し作業道を進む(C-4)。
立入禁止看板のある車止めを越えて進む。この付近は、シキビなどの栽培地になっているようだ。入らせて貰うが、くれぐれも地元も方々に迷惑をかけないように
注意していただきたい。持ち帰っていいのは、ゴミと写真だけである。
まもなく、中国電力友和線22号鉄塔への分岐を南側に見て、その北側の車庫状の建物の脇の登山道に取り付く(C-5)。
尾根に乗って進む。標高500m手前までは、非常にきれいに整備された登山道が続いているが、最初の岩場を超えると、勾配もきつく、荒れ道に変わる。
一方で、旧佐伯町方面の眺望が開けてくる。この付近から上方では、どんどん踏み跡が薄くなって、縦走路の手前では藪こぎが必要となる。東側の小ピークで銃走路に合流するが、縦走路側からみて分岐があるように見えない(C-6)。
(C-3)の地点から、さらに、約300m進んだ地点に、コンクリート舗装の分岐がある(C-7)。 舗装道は、約100mで終わり、その先で尾根に乗る。この先は、倒木が多く、シダ道が続く。標高約420m地点にY字分岐があり、ここを東側へ進む(C-8)。 この付近から、随分歩きやすくなるが、あまり歩かれた形跡はない。標高600m付近で、その先の岩場や急斜面を避けて、登山道が西へトラバースして、 西側の谷を登る形になる(C-9)。縦走路合流点の手前は、倒木が多く、踏み跡も大変薄くなる。この登山路も縦走路側からみて分岐があるように見えない(C-10)。上峠からおむすび岩方面への登山では、最短距離となるルートである。序盤と縦走路手前の倒木を除けば、大きな岩場もなく、比較的整備状態のよい登山路が続く。
県道大竹湯来線を友和病院方面へ分岐し、市道を約350m進んだ地点に未舗装林道の分岐がある(D-1)。
ここにも、「立入禁止の看板」がある。林道は、分岐から約1m先の堰堤まで続いている(D-2)。
堰堤から先は、目前の尾根を登り、尾根の肩に登る。ここから、トラバースしならが、谷へ降りる。
谷間は植林地になっている(D-3)。この植林地で急に踏み跡が消失するが、地形図を見ながら、適当な小尾根を登って、
大野権現山と小焼三角点の間の尾根を目指す。
この林道途中から、中国電力新徳山幹線の鉄塔巡視路を利用すると、青光園団地方面へ至るルートがある。この林道から103号鉄塔へ至る巡視路は、
川の中を進む箇所があり、その後は急登になる。
渡ノ瀬貯水池の東端、県道大竹湯来線の鴉橋(からすはし)の松ヶ原側の袂より、笹峠を経由して「おおの自然観察の森」へと続く未舗装林道が分岐している(D-4)・(D-5)。分岐点には「車両通行禁止」である旨の看板があるが、実際には、県道大竹湯来線の分岐点から800m程度(この林道には、配電用の電柱が立っている。電柱番号いこいの森支34付近)まで、
車で進入可能である。この先も幅員は充分であるが、路盤が荒れている。
この地点からさらに、約1000m進んだ地点に青光園団地や下峠地区へ至る取付がある(D-6)。
電柱番号いこいの森支55と56の間である。歩きやすい道が続くが、どの道も谷の奥で消失している。地形図を見ながら、大野権現山と小焼三角点の間の尾根から張り出した小尾根に登るとよい。
この尾根より、大野権現山や「小焼」の三角点地に登ることができる。
(D-1)林道分岐。 | (D-2)林道終点。2箇所の堰堤がある。 | |
(D-3)谷間の植林地。踏み跡消失。 | (D-4)鴉橋の袂から分岐する林道。 | |
(D-5)車両通行禁止の看板。 | (D-6)林道からの分岐。 |
作成:2012年4月19日
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