青笹山 標高1,021.6m

中国電力東山口幹線141号鉄塔(氷水山北峰中腹)より青笹山を望む。 篠原山(青笹山北側)より青笹山を望む。
中国電力東山口幹線141号鉄塔(氷水山北峰中腹)より青笹山を望む。
山頂は赤白のカラー塗装の28号鉄塔が目印。
山頂右手前のピークは993m峰。撮影位置の関係でこのピークの方が高く見える。
撮影日の天候状態が悪く、わかりにくい。
篠原山(青笹山北側)より青笹山を望む。
右から27号鉄塔、28号鉄塔、29号鉄塔。



旧佐伯町には、大峯山・
西大峯山・羅漢山・鬼ヶ城山・板敷山・青笹山と1,000mを越える山が6つある。 その一つ青笹山をレポートする。青笹山は、旧佐伯町と旧吉和村の境界線上に位置し、中国電力の西島根幹線の送電線が 山を東西に横断している関係で、登山道(鉄塔保守道)の整備状況がよく大変登山しやすい山となっている。また、板敷山とのコルから東牛首方面へと山の南西側斜面を林道太田川林業地基幹線の工事が進んでいる。多々場側のゲートが施錠されているし、東牛首側は工事中で、林道を車で進入できないが、車で進入できるようになれば10分程度で登れる山になりそうだ。なお、25,000分の1地図に山名の掲載はない。
この付近の山名について、板敷山のレポートに作者なりの調査状況を記載している。参考にしていただければ幸いである。
林道多々場線を利用して登るルート

県道所山潮原線(旧林道焼山線)を吉和側から進入し、魅惑の里(ツリーハウスの入口)を過ぎて、 約800mほど進んだところに 多々場方面への林道分岐がある(A-1)。この分岐点のゲートは施錠されているので、 ゲートの手前に駐車して歩く。ゲートのほとりに「林道太田川林業地 基幹線」と標識が掲げられている。未舗装ながら大変きれいに整備された道が続いている。夛々場橋を過ぎて少しで 工事中の林道太田川林業地基幹線(舗装道)が向かって右手に分岐して去っていく(A-2)。 この林道を進むと、中国電力西島根幹線30号鉄塔の南側で鉄塔保守路と合流し(A-5)、31号鉄塔が間近に見えるところまで工事が進んでいる。
さて、林道多々場線に入り、多々場川沿いに進む。西側に32号鉄塔を望む地点から、林道は、谷を大きく迂回する形状 となる。途中、造林作業路多々場3号線が分岐している(A-3)。林道終点(31号鉄塔手前)は、大変広い空地になっている。 この空地の東側に青笹山の山頂へと続く鉄塔保守路の取付がある(A-4)
自然林の中を進むと30号鉄塔に至り、その先で、「林道太田川林業地基幹線」に合流する(A-5)。林道を少し進み、ガードレールを越えて、鉄塔保守路へ戻る(A-6)。スイッチバック路 を越えると、山頂西側の29号鉄塔へ至る。4等三角点のある山頂は、すぐの距離だ(A-7)。 林道を板敷山とのコルまで進むと(2009年11月現在付近は林道工事中)、旧吉和村と旧佐伯町の境界を主尾根へと登るルートもある(A-8)。山道は笹に覆われているが、植林地と雑木林との境目の薄い踏み跡を登る(A-9)。山頂からわずか20m程度南東側で主尾根へ到達する。 なお、山頂からの眺望はない。山頂付近のブナ林は素晴らしい(A-10)。 県道所山潮原線分岐点のゲートから、保守路取付まで約60分、保守路取付から山頂まで約30分。林道を歩けば、時間短縮可能と思われる。大変登りやすいルートである。

(A-1)県道所山潮原線を多々場方面へ分岐する。 (A-2)夛々場橋の先で、林道太田川林業地基幹線が東側へ分岐。
(A-3)造林作業路多々場3号線が分岐。 (A-4)31号鉄塔の手前の空地。一番東側の奥に鉄塔保守道の取付がある。
(A-5)30号鉄塔を過ぎると、林道に合流する。 (A-6)林道を約50m程度進み、ガードレールを越えて鉄塔保守路へ戻る。
(A-7)4等三角点。点名「青笹山」。 (A-8)板敷山とのコルからの取付。
(A-9)旧町村界を登る。植林境。踏み跡は薄く笹に覆われている。 (A-10)山頂北側のブナ林。素晴らしい。


林道所山青笹線を利用して登るルート

県道所山潮原線を所山方面より進入し、虫渡橋を渡るとすぐに三叉路になる(B-1)。 向かって右手の林道所山青笹線を進む。林道所山青笹線は改修工事が進んでおり、舗装道は、中国電力東山口幹線送電線下から約750m進んだ地点まで延伸されており、その後の砂利道は東牛首の手前約100m地点まで整備されている(B-2)。2009年11月現在、東牛首手前で工事中である(B-3)。恐らく、東牛首で、工事中の林道太田川林業地基幹線へ接続されるのであろう。
東牛首(工事中で状況を確認できていないが恐らく大きく変貌していると思われる)には、中山造林地の看板があり(B-5)、 東側には25号鉄塔が見える。ここで林道が分岐するので、 直進せずに西牛首方向へと進む。時折、道が崩落したところもあるが、概ね歩きやすい林道が続いている。 標高約850mの地点で、林道から分岐して、普通の山道を進む(B-6)。 南側の尾根に取り付き、27号鉄塔へと登る(B-7)。登山道の周辺にブナの木が目立つようになる。 赤白のカラーで塗装された28号鉄塔からは、板敷山が目前に見える(B-8)。 山頂まではすぐの距離だ。東牛首から山頂まで、約80分かかる。
このルートは、「広島のブナ林」(2005年ブナ林を愛する会/南々社)で紹介されているルートであり、 インターネット上でも複数の方がレポートされている。

(B-1)虫渡橋の先で、県道所山潮原線から分岐し林道所山青笹線を進む。 (B-2)舗装道終点。以前の荒れた林道が嘘のようだ。
(B-3)東牛首手前約100m地点で工事中。 (B-4)東牛首。25号鉄塔のすぐ西側。
(B-5)東牛首には、「中山造林地」の看板がある。 (B-6)林道から分岐する。普通の山道になる。
(B-7)27号鉄塔。 (B-8)28号鉄塔(赤白のカラー塗装)より、板敷山を望む。


国道488号線(もみのき森林公園の西側別荘地)から登るルート

「タタバ峠を経由するルート」
吉和郵便局前の交差点からもみのき森林公園方面へ国道488号線を南東方向に約1.5km進む。 大きなカーブの手前南側に 分岐がある(C-1)。舗装道はすぐに終わり、道は採石場まで続いている(C-2)。 ここまで車で進入できる。 この道は、タタバ峠へ至る登山道へは接続していない。 採石場を越えて、谷の登山道を探す。 採石された関係で、この付近の地形は、25,000分の1地図とは異なってフラット な形になっている。おそらく採石場の北西側に堰堤(C-3)があり、 この堰堤を造った関係でタタバ峠へ至る登山道が 一部消失してしまったのではなかろうか。 採石場を超えて以降の登山道ははっきりしており、 植林地内をしばらく進むと、 タタバ峠で造林作業路多々場3号線と合流する(C-4)。 採石場から(A-3)まで約30分。
「西牛首を経由するルート」
採石場の手前から、南方向に分岐してホリワリ谷を進む古い林道がある(C-5)。 分岐点では、林道らしく見えないが 幅員が十分にある比較的歩きやすい林道だ。現在では、車では進入できない。 谷川の西側を進み、谷川を渡る地点で林道は篠原山方面に戻るように続いている(C-6)。 この地点から普通の登山道となる(C-7)。道は谷の西側にあり、途中から谷の東側を進み、 西牛首へと至る(C-8)。西牛首手前で再び林道と合流して、 古い林道を前述の分岐(B-6)へと進む。 西牛首から(B-6)までの林道はかなり荒れている。 採石場から(B-6)まで約70分。
「吉和村誌第一集(吉和村誌編纂委員会編1986年)」によれば、ホリワリ谷から所山へ至る林道は、明治大正期に作られた古い県道とのことだ。この道ができるまで、篠原山の東側の馬庭峠を経由して、旧湯来町方面へ出るコース(石州往還)が主要道だったようだ。

(C-1)国道488号線からの分岐。 (C-2)林道終点の採石場。
(C-3)採石場手前の堰堤。 (C-4)タタバ峠。造林作業路多々場3号線側より撮影。
作業路は、大槙山方面へ続いている。
(C-5)採石場手前より西牛首へ至る分岐。 (C-6)川を渡った地点。林道は篠原山方面に戻るように続く。
(C-7)雑木林の中、西牛首へ至る登山道。途中はっきりしないところもある。 (C-8)西牛首の切り通し。切り通し手前で林道へと合流。
この先の林道は荒れている。


国道488号線(東山渓谷)から登るルート

25,000分の1地図にも掲載されている破線や実線で書かれている林道を利用して東牛首へと登るルートだ。 国道488号線から分岐して加下川(水内川)を渡り(D-1)、いくつかの堰堤を越える。 途中馬庭峠方面への分岐を過ぎる(D-2)。舗装道はこの分岐付近までで終わる。 以降は砂利道だが、比較的整備状況がいいので、 1回目の分岐点(D-3)までは車でも進入できると思われる。 林道はアカゴウ谷から南側の尾根を越えて、岩井谷の奥部の北側の斜面をトラバースして進む。 1回目の分岐点はかわりにくい。見落とさないように注意する。 分岐後の林道は荒れているが、歩くに支障があるような状況ではない。 途中谷川を越えて、2回目の分岐がある(D-4)。 ここには、「中山造林地」の看板がある。 さらに谷川を渡りしばらく進むと東牛首へ至る。 国道488号線(東山渓谷)から1回目の分岐点まで、約60分。 その先、東牛首まで約40分。

(D-1)国道488号線からの分岐。すぐに加下川(水内川)を渡る。 (D-2)馬庭峠方面への分岐。林道と山道が分岐している。
(D-3)1回目の分岐。ここまでは車で進入できそうだ。 (D-4)2回目の分岐。


青笹山の登山地図(1)
「この地図は、国土地理院長の承認を得て、 同院発行の2万5千分の1地形図(湯来・安芸冠山)を複製したものである。(承認番号 平21業複、第340号) 」

青笹山の登山地図(2)
「この地図は、国土地理院長の承認を得て、 同院発行の2万5千分の1地形図(湯来・津田)を複製したものである。 (承認番号 平21業複、第340号)」



なお、このページ内で使用している登山ルートの名前・登山口や分岐点の名前などは、便宜上、作者が勝手に命名したものもあります。 地図に記載した登山ルートはGPS等により測定したものではありません。

作成:2006年10月19日 & 2007年2月27日 & 2009年5月9日 & 2009年11月25日



TOPページに戻る。 このページの最初に戻る