廿日市市津田地区(佐伯中学校付近)より横山・鬼石山を望む。 左から鬼石山・横山。 |
障子ヶ岳登山路より鬼石山・横山を南側から望む。 手前が鬼石山。 |
小田原(こたばら)地区の果樹園の側に取付がある(A-1)。
ここを直進すると、植林伐採地へ至る(A-2)。ここで山道の幅員は減少し、
伐採地の中をトラバースぎみに進み谷を詰める。トラバースかつスイッチバックを繰り返しながら、標高を稼ぎ、
グイメガ峠へ至る。ずっと植林地内の道で、景色は単調で変化に乏しい。この道は、中道地区と浅原地区を結ぶ道
(以下、「中道浅原道」という)で、かつては馬も通行できたと思われるほどの十分な幅員の山道が続いている。
グイメガ峠には「右山道、下浅原、左中道、昭和五年成ヶ原支○」と彫られたコンクリート柱がある(A-3)。
ここまで、果樹園の取付から約1時間かかる。
グイメガ峠から先の中道浅原道については、米ノ餅山〜大谷山
のレポートに記載している。
このコンクリート柱のところより、主尾根を北方向へ進む(A-4)。
グイメガ峠を離れるにつれて踏み跡が薄くなるが、尾根をキープすれば、
迷うようなところはない。
ほとんど岩場のない女性的な印象の尾根道だが、突然三角形の緑色の岩が現れる。この岩が鬼石山の名称の由来と
なった岩と思われる。三角点がないので、はっきりしないが、ここが、鬼石山の山頂と思われる(A-5)・(A-6)。
また、山頂付近はテニスコートが何面も取れるような大変平らな地形をなしている。
植林地内なので、眺望はない。グイメガ峠〜鬼石山山頂までは、約30分程度かかる。
GPSを所持していないので正確ではないが、グイメガ峠は、25000分の1地図のグイメガ峠の位置よりも、
やや南側にあるようだ。
25000分の1地図には、果樹園の南側に鬼石山へ直登できるようなルートの破線が書いてあるが、このようなルートは
見当たらなかった(A-7)。
極楽寺百回クラブの方々との登山
では、ここから取り付いた関係で、道のない植林地を「中道浅原道」まで這い上がることになってしまった。さらに
その南側のグイメガ峠へ至る破線については踏査していないが、期待できるような登山道はないようだ。
鬼石山山頂から南東尾根にテープが付けられていて、道がありそうに見えるが、ここに登山道はない。
小田原の伐採地の上端付近から分岐し、鬼石山山頂の南側で合流する道も登ってみたが、分岐後しばらくは踏み跡が
はっきりしているが、だんだんと薄くなり、隣の尾根へ渡って以降は、踏み跡もない尾根を登る形となる。
浅原(市野地区)〜グイメガ峠
県道岩国佐伯線を一ノ谷橋手前から分岐する林道からのルートだ(A-8)。 分岐点からすぐのところに車止めのチェーンがあり、これを越えて進む。林道右手に水道用の受水槽が見えてくる。 ここまでが舗装区間で、この先は、幅員も狭くなり、普通の山道となる。東側に谷を見る地点から、 支尾根へ登り、グイメガ峠から南西方向に伸びる尾根を登る。 最初は踏み跡がはっきりしているが、グイメガ峠手前 から笹道となり、踏み跡がやや明確さに欠けてくる。倒木も多いが、尾根を外さなければ迷うことはないだろう。 所要時間は約1時間。
国道186号線より、林道悪谷線を進み、「史跡石見津和野路石たたみ道」の標柱の所(B-1)より、
悪谷川を渡り、東方向へ進み松ヶ峠を目指す。津和野街道への分岐から松ヶ峠までは15分程度。
2006年5月現在、悪谷川に架かっていた木製の橋は、一部が流出しており、
飛び石伝いに渡る(水量が多い時は注意を要す)(B-2)。この区間は、
前述のように中国自然歩道に指定されており、
山道の整備が行き届いているだけに、悪谷川に架かっていた橋の流出が残念だ。
橋の残骸は、分岐点から下流150mくらいの所に引っ掛かっている。
松ヶ峠には、松ヶ峠の説明板がある(B-3)。この説明板に向かって右脇に横山への取付がある。
最初は雑木林の中を進む。やがて、この付近に多い約10m程度の無植林部がある地形の植林地内尾根に入る。
無植林部は雑木・笹・倒木などにより歩きやすいわけではないので、コース取りに注意しながら進む(B-4)。
登山道の東側に自然林が見えてくると、山頂はもう目の前だ。
自然林は、山頂手前の東側〜北側斜面に、僅かに残っており、笹床にブナやミズナラなど生えている
(B-5)・(B-6)・(B-7)。
だたし、ブナは山頂付近のみに生育しており数は少ないようだ。
さらに、植林されていない尾根線に沿って約100m進むと、
無植林地の東側の植林地脇に三角点があり、ここが山頂だとわかる(B-8)。
数個のプレートがかけてあった。
横山山頂付近は鬼石山山頂付近と同様に大変なだらかな地形となっていて、山頂の位置がわかりにくい。
松ヶ峠〜横山山頂の所要時間は、約1時間。
国道186号線から津和野街道松ヶ峠方面への分岐までのルートは、米ノ餅山〜大谷山
のレポートを参照。
栗栖(観音原地区)〜(津和野街道)〜松ヶ峠
栗栖(観音原地区)の国道186号線沿いから津和野街道を西へ進む(B-9)。 中国自然歩道に指定されている関係で整備された山道が続いている。 その昔、津和野の大名一行もこの道を通ったのだろう。途中の観音堂(岩が御神体)(B-10)までは 車でも進入可能だ。観音堂のところで、道が2分岐する。恐らく南側の荒れた道が 津和野街道と思われるが、観音原川に架かる橋が脱落したりしているので、観音原川の北側の整備された道を進む。 石畳道が随所にあって、廿日市市の史跡となっている(B-11)。 観音堂から、約700m進んだところで、山道が観音原川に侵食されている箇所がある(B-12)。 ここでは、川の中を飛び石伝いに迂回する以外にどうしようもない(水量が多い時は注意を要す)。 この先にも、数箇所斜面崩落などにより歩きにくい箇所があるので注意して進む。 その後、 観音原川もどんどん細くなり、少しずつ標高を上げて、横山の北側の標高710〜730m付近をトラバース しながら進む。登り道が一段落した地点に 「かご立岩」(B-13)があり、少し進むと「三国横え」がある。 どちらにも説明板がある。残念なことに、 三国横えで見えるはずの、「安芸・出雲・周防の山々」は植林に邪魔されてうまく見えない(B-14)。 さらに進むと「松ヶ峠」へ到達する。栗栖(観音原地区)〜松ヶ峠の所要時間は、約2時間。
米ノ餅山〜大谷山のレポートに、 悪谷や越ヶ原からこの尾根に至るルートを記載している。 このルートは、踏み跡がはっきりしていないので、地形図を見ながら進むとよい。 特に、途中の854m峰では、方向を誤りやすいので注意が必要だ。 この尾根は、上述のレポートでも記載したが、約10m程度尾根に無植林部があるので、これを確認しながら、 無植林部の脇の歩きやすい位置を進むとよい(C-1)。 横山山頂手前で、鬼石山から伸びる尾根線と合流する(C-2)。 少し北側に進むと、無植林部の東側の植林地脇に横山山頂の三角点がある(B-6)。 大谷山〜横山縦走をする場合の所要時間は約2.5時間かかる。
鬼石山〜横山縦走
地形図を見ればわかるが、鬼石山は、横山の主尾根にある小さなピークに過ぎない。 鬼石山の平らな山頂を進むと、わずかに高度を下げて、再び登り道になる。笹道で踏み跡 がはっきりしないところもあるので、地形図を見ながら進むといいだろう。 単純に尾根線を進むと、横山の南側で2つのコブを越える形となるだが、 二つのコブ共に笹に覆われており、一つ目のコブの手前南側は倒木だらけ(C-3)で歩きにくいので、 ここでは西側にトラバースしながら進むといいだろう。はっきりとした踏み跡のある山道がある(C-4)。 このコブを極楽寺百回クラブの方々との 登山では越えたのだが、その後の踏査で、西側に歩きやすい道があることに気づいた。 2つ目のコブの西側で、大谷山から横山の間の稜線からのルートを合流する。 所要時間は約40分。
(C-1)大谷山と横山の間の稜線を歩く。 踏み跡はほとんどない。 |
(C-2)横山〜鬼石山の稜線との合流点付近。 | |
(C-3)約880m峰の南側斜面は倒木だらけ。 | (C-4)約880m峰の西側をトラバースする道。 |
国道186号線を浅原地区から栗栖地区へ向かう。途中、冷川(ひえかわ)地区の集落を過ぎ、「萩原橋」を越えて、
約150mほど北側に進んだところから分岐する林道(D-1)を進む。
林道は、国道から分岐して、わずか100m程度舗装されているが、
その後は砂利道となる。林道の途中に笹に覆われた別の林道への分岐があり、これを進む。(D-2)。
ここまでは車でも進入できそうだ。ここから先は、荒れていて車では進入できない。
植林地に入ると笹こぎも終わり歩きやすくなる。谷が二つに割れるところで、南西方向に分岐する山道があるので、
分岐し(D-3)、左手に谷を見ながら、植林地内をトラバースして進む。
途中、標高約550m付近に「浅原村本郷組入会、大正九年三月」
と彫り込まれた石柱が山道の脇にある(D-4)。石柱の少し先で山道が崩落しているので注意して進む。
さらに、谷が二つに割れるところ(倒木あり)(D-5)で、山道が忽然と消失したように見えるが、
谷川を渡り、正面の谷の北側に山道がある。だんだんと踏み跡が薄くなり、標高約620mで、近年起きたと思われる
土石流により、谷が流木や土石で埋まるような状況となるに至り、谷の道は消失する(D-6)。
谷はえぐれたようになっているし、
礫の多い地形のため、川岸も歩きにくい(D-7)。単独で登山しているので、
いいようなものだが、何人かで登ると、礫崩落で下流の人間は危ない状態だ。
標高約720mで、南西の尾根から谷に向かって大きく斜面が崩壊しており、
これが、土石流の原因とわかる(D-8)。標高約620mから約720mの区間は、
北側斜面を高巻きする以外に歩けそうな気配はしない。高巻きしても、急斜面であって、決して歩きやすくはない。
この区間を過ぎても、倒木など多く歩きやすくなるわけではない。それでも、土石流の区間より遥かに歩きやすい。
この先、踏み跡も完全に消失する。谷を詰めて登るのみだ。
岩場の横を通過して最後の急登を越えると、ブナ林のある尾根に到達する。
ここから、山頂まではすぐの距離だ。
このルートは、土石流の関係で、かなり歩きにくい。お勧めできるようなコースではない。
(D-2)からの所要時間は、約2時間。
作成:2006年5月6日
TOPページに戻る。 | このページの最初に戻る |