錐山 標高786.7m

大谷峰から錐ヶ先を望む
写真左から助藤峰、錐ヶ先(主峰)、大虫峰と鋭い峰が見える。
(大谷峰付近より撮影)



錐山は、
西大峯山の西側に位置し、東を林道夏夜鳥線(なつやとり線)、西を県道本多田佐伯線に 囲まれた山だ。南北2km足らずの小さい山だが、700mを越えるピークが4ヶ所もあって、稜線が変化に 富んでいて南北に縦走すると面白い。眺望もかなりよい。編集の都合上、それぞれのピークを南から 「助藤峰」、「錐ヶ先」、「大虫峰」、「大谷峰」と呼ぶことにする。「錐ヶ先」以外は、便宜上、作者が 命名したものなので、このページ内のみで利用されたい。 なお、25,000分の1地図に山名の記載はない。



南側から北向きに縦走するルート

助藤地区から、北へ県道本多田佐伯線を進むと、笹谷橋の向こうから、林道夏夜鳥線が東方向 に分岐している(A-1)。 分岐してすぐのところに取付がある(A-2)。取付付近は笹に覆われていて、わかりにくいが、やや西側の支尾根を 登る。笹が無くなるあたりから道がはっきりしてくる。尾根道ははっきりしているが、「助藤峰」の手前から、 ヤブコギ状態となる。「助藤峰」へ至る斜面は、南方向に開けて眺望がよいのだが、ヤブにうんざりする状態 が続く。「助藤峰」は、鋭いピークだが、眺望はない(A-3)

ここから、高度を下げて、主峰の「錐ヶ先」へと再びヤブコギしながら進む。「錐ヶ先」の手前に 岩場があって、ここも東から南方向の眺望がよい。さらに登ると「錐ヶ先」に到達する。「錐ヶ先」は、その 名前にふさわしく大変鋭く狭いピークになっている。東側以外からは、アプローチできないほどに 南西北の斜面は落ち込んでいる。眺望はかなりよく、ほぼ360度見渡すことができる (A-4)(A-5)。 ここには、1992年に設置された比較的新しい4等三角点がある(A-6)。 「錐ヶ先」のピーク手前の尾根にブナの若本が数本 あるように見えた。詳しい方の確認をお願いしたい。

次のピーク「大虫峰」を目指して、一旦東方向へ高度を下げて進路を北東方向に取る。 山道の状況が改善されてヤブコギは不要となる。 途中に小ピークがあり、さらに進むと「大虫峰」に達する(A-7)。 このピークの西側に小さな岩があって、この岩から西方面の眺望が開けている。

ここからぐっと高度を下げると、 大虫地区からの登山路が尾根道に合流するコルへ達する(A-8)。ここを直進すると、「大谷峰」へ達する(A-9)。 他の峰に比べれば鋭さはない。このピークで林道夏夜鳥線の舗装道終点付近からの登山路が合流する。尾根道を道なりに進むと、 さらに小ピークを数個越えて、サイノ神峠で林道夏夜鳥線に 到達し、縦走路は終点となる(A-10)。 大谷峰からサイノ神峠への尾根道はサイノ神峠に近づくほど踏み跡がはっきりなくなる。所々でヤブコギも必須となる。 林道夏夜鳥線を北進すれば、県道本多田佐伯線へ至る。

(A-1)笹谷橋の袂から、林道夏夜鳥線が分岐する。 (A-2)南側からの取付。笹の中を進みやや西側の支尾根へ。
(A-3)助藤峰、眺望なし。 (A-4)錐ヶ先より北西側眺望。
中河山(中ノ河4等三角点)の向こうに吉和冠山が見える。
(A-5)錐ヶ先より東側眺望。
西大峯山が間近に見える。
(A-6)4等三角点。点名は「錐ヶ先」。
(A-7)大虫峰、西側の眺望がよい。 (A-8)大虫地区からの登山道が合流するコル。
(A-9)大谷峰、眺望なし。
林道夏夜鳥線の舗装道終点付近からの
登山道が合流する。
(A-10)サイノ神峠の取付(下山口)。写真中央の笹のところ。
踏み跡はない。



その他のルート

(1)大虫地区からのルート
錐ヶ先の三角点へのルートとして「点の記」に書かれているルートだ。県道本多田佐伯線から分岐し、取付に向かって 南東方向へ直進すると大虫川にかかる小さな鉄橋がある(B-1)。この鉄橋をわたり、植林地内の道を進み谷を詰めると、 (A-8)で尾根道に合流する。
2005年10月8日現在、取付の鉄橋は台風被害により流出しいてる(B-2)。水量が多く流速もあるので、 この地点での川渡りは危険だ。当面このルートでの登山は控えた方がよい。

(2)林道夏夜鳥線の舗装道終点付近からのルート
林道夏夜鳥線の舗装道の終点の錐山側に、「公社造林(広島県造林公社)」の看板がある(B-3)(造林地名はなぜか「氷水山造林地」)。ここに取り付き、支尾根(B-4)を登ると 「大谷峰」のピークで尾根道に合流する。取付部は笹に覆われていてわかりにくいが、このルートは大谷峰まで、随所に赤テープがあるので、目印とするとよい。 多少のヤブコギは必須である。

(B-1)小さな鉄橋。(台風襲来前) (B-2)小さな鉄橋は流出している。(台風襲来後)
(B-3)公社造林の看板の横の取付。
看板は木の陰になっている。
(B-4)支尾根を大谷峰へ登る。


縦走ルートは変化に富んで面白いが、ヤブコギも必須となるので、山に慣れた人向きのルートだ。 縦走せずに、ヤブコギもせずに「錐ヶ先」を目指すなら、 (B-1)→(A-8)→(A-7)→(A-6)のルートが2005年9月の台風14号襲来前なら最も山道の整備状況がよかったのだが、 取付の鉄橋が流出してしまった現状では、ヤブコギなしで登れるルートが見当たらなくなってしまった。

錐山の登山地図
「この地図は、国土地理院長の承認を得て、 同院発行の2万5千分の1地形図(津田および湯来)を複製したものである。 (承認番号 平17総複、第341号)」

なお、このページ内で使用している登山ルートの名前・登山口や分岐点の名前などは、便宜上、作者が勝手に命名したものもあります。 地図に記載した登山ルートはGPS等により測定したものではありません。

作成:2005年9月11日



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