冠岳 標高487m

小瀬川ダム堰堤付近より冠岳を望む 三倉岳灯籠岩付近から冠岳を望む
小瀬川ダム堰堤付近より冠岳を望む。 三倉岳灯籠岩付近から冠岳を望む。



冠岳は、三倉岳・瓦小屋山の西側、小瀬川貯水池(真珠湖)の東側に位置する南北に長細い山だ。 標高は平凡だが、燕山と同様に山頂のテラスからの眺望に優れている。インターネットでの紹介も多く、 「ふるさとの山歩き」(広島県山岳連盟/中国新聞社編 1992年)にも紹介されている。 この本によれば、山名の由来を「山頂の巨岩が冠をかぶって羅漢山を見ている顔に見える」と記している。 確かにそう言われると、そんな風に見えないでもない。 主稜線の一部が廿日市市と大竹市の市境になっている。

8ヶ所の取付について踏査したが、一般的には、

  1. 取付(1)から山頂を経由して取付(3)への下山
  2. 取付(1)から山頂を経由して縦走路を北方向へ進み、取付(4)〜(7)のいずれかへの下山
というコースがいいだろう。もちろん逆回りでもよい。
取付(1)
小瀬川ダム堰堤の広島県側に駐車スペースがある。そこから国道186号線を挟んだ山側に取付がある
(A-1)。 途中、サイレン鉄塔の横を越えて約40分で 山頂のテラスへ到着する。360度何も遮るものがなく素晴らしい眺望を楽しめる。途中の「見晴らし岩」からの眺望もよい。途 中で取付(2)(8)からの山道と合流する。山頂からの眺望は、こういちさんのページ ほかで多数紹介されているので、ここでは割愛する。

取付(2)
取付(1)から国道186号線を大竹側に約150m寄ったところに取付がある(A-2)。 東側の尾根へ登り、廿日市市と大竹市の境界線上を進み、さらに 東側の尾根へと登る。北へ進むと、取付(1)からの登山道と主尾根上で合流する。

取付(3)
三倉岳のレポートで記述した冠岳東側の谷にある冠岳分岐より取り付く(A-3)。 谷川を渡り、支尾根を詰めると、山頂の北側で主尾根の道に合流する。このルートには指導標が多数設置されている(A-4)。 かなりの急勾配のせいか、上述の「ふるさとの山歩き」に下山道として紹介されている。

取付(4)〜取付(5)
ともに、白迫谷から伸びる舗装された林道の終点付近より、西側の支尾根へと取り付く(A-5)。谷川を渡るところがややはっきり しないが、支尾根の道ははっきりしていて歩き易い。主尾根の縦走路までは10分程度で到達できる。

取付(6)〜取付(7)
ともに、白迫谷から伸びる舗装された林道の峠鞍部の少し南寄りのところから西側の支尾根へと取り付く(A-6)。 どちらから登ってもすぐに合流し、主尾根の縦走路へと至る。前項と同様に取付付近がややはっきりしないが、 支尾根の道ははっきりしている。

取付(8)
小瀬川ダム堰堤から北方向に約300m進んだところに、「↑やぎ4219.5m」と書いてある看板がある(A-7)。 ここから約4km大竹市寄りの国道186号線沿いに「やぎ」という ケーキとパスタの店があるということらしい。 この看板の国道186号線沿いやや南側のガードレールの脇に取付がある(A-8)。 石を組んである道は簡易水道の保守用で行き止まり、 ガードレールに沿って少し下降して谷を進む。ごろごろとした石を越えると堰堤が見えてくる。この堰堤を竹の梯子と鉄の梯子で 乗り越える(A-9)。堰堤の上は土砂で埋まっている(A-10)。 正面の支尾根を急登すると、取付(1)からの登山道と主尾根上で合流する。

(A-1)取付(1)。小瀬川ダム堰堤横。 (A-2)取付(2)。市境の尾根を進むルート。
(A-3)取付(3)。冠岳分岐。谷川沿いを上流方向に少し進み、川を渡る。 (A-4)指導標。冠岳分岐・川渡りの箇所・途中の尾根にある。
写真は途中の尾根のもの。
(A-5)取付(5)。舗装林道終点から西側の尾根を登る。 (A-6)取付(6)。舗装林道の峠鞍部よりやや南側から、西側の尾根を登る。
(A-7)「↑やぎ4219.5m」と書いてある看板。 (A-8)ガードレールと石組の間の道が取付(8)
石組の上の道は行き止まり。
(A-9)竹の梯子と鉄の梯子を登って、堰堤を越える。 (A-10)堰堤の上。正面の尾根を急登する。



山頂〜縦走路

山頂から北方向へ伸びる縦走路を進む(B-1)。縦走路は標高差が少なく、整備状況もよく歩きやすい。 また縦走路からの眺望も素晴らしい。 ただし、三角点ピーク(B-2)の手前では少し荒れており、 三角点ピーク手前から北方向には「立入禁止」の札が掲げられている。 秋の特定時期に三角点ピーク方向に入山しないのはもちろんのこと、どちらの山であっても、登らせて もらっているという気持ちとともに、持ち帰るものは「写真だけ」としていだたきたい。 縦走路からの下山は、白迫谷から南へと伸びる舗装された林道ヘ向かって、 支尾根を下る。取付(4)〜(7)のいずれかへ下山すればいいだろう。

(B-1)山頂北側の取付(3)と縦走路の分岐点。
山頂側より縦走路方面を望む。
(B-2)4等三角点。点名は「前中山」。



冠岳の登山地図
「この地図は、国土地理院長の承認を得て、 同院発行の2万5千分の1地形図(玖波および周防本郷)を複製したものである。 (承認番号 平17総複、第341号)」

なお、このページ内で使用している登山ルートの名前・登山口や分岐点の名前などは、便宜上、作者が勝手に命名したものもあります。 地図に記載した登山ルートはGPS等により測定したものではありません。

作成:2006年3月5日



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